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胸の症状

胸が痛い
心臓や肺の疾患の可能性があります。特に、締め付けられるような痛み、冷や汗を伴う痛み、これまで感じたことがないような激痛、胸から背中に移動するような激痛の場合は、急性心筋梗塞、大動脈解離や肺塞栓症といった心・血管系の疾患の可能性があります。また、息苦しさを伴う場合は気胸等の肺疾患の可能性があります。いずれも早急な対応が必要な疾患です。その他にも、逆流性食道炎、肋軟骨炎、帯状疱疹痛、胸膜炎、胸壁の筋肉痛といった緊急性は要さない疾患もあります。
息が苦しい
肺や心臓の疾患の可能性があります。発熱や痰を伴う場合は気管支炎、肺炎等の可能性があります。また喘鳴(ヒューヒューする音)を伴う場合は喘息や心不全の可能性があります。たばこがお好きな方は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性があります。その他、心因性等が原因のこともあります。
動悸がする
安静時の動悸の場合は、不整脈の可能性があります。症状がある時に心電図をとることで原因の特定ができることがあります。また、心因性の場合も症状を強く感じることがあります。体動時の動悸の場合は、貧血の可能性があります。
胸がつかえる
咽喉頭・食道の疾患の可能性があります。逆流性食道炎や機能性ディスペプシアといった良性の疾患や、食道がん・咽頭がん・喉頭がんといった悪性の疾患が隠れている可能性があります。内視鏡検査をご検討下さい。
胸やけがする、酸っぱいものが上がってくる。
逆流性食道炎を疑う症状です。生活上の注意事項の実践や、投薬により症状の改善が期待できます。胃カメラで食道の荒れの程度を観察することも出来ます。

お腹の症状

みぞおちの違和感、痛みがある。
急性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、機能性ディスペプシアといった胃・十二指腸の疾患の他に、急性肝炎、急性胆管炎、急性胆嚢炎、急性膵炎といった腹部臓器の疾患の可能性があります。胃カメラや超音波検査による原因検索が検討されます。
下腹部が痛む。
痛みの部位により原因は様々です。超音波検査や大腸カメラによる原因検索が検討されます。

右側が痛む:急性胆嚢炎(右季肋部痛)、尿管結石(腰背部痛)、大腸憩室炎、感染性腸炎、虫垂炎等の可能性があります。
真ん中が痛む:急性腸炎、腹部大動脈瘤、婦人科系疾患、尿閉等の可能性があります。
左側が痛む:尿管結石(腰背部痛)、大腸憩室炎、虚血性腸炎等の可能性があります。
お腹が張る
腸の動きの問題やガスの貯留による症状のことがほとんどですが、腹水(肝臓の疾患や悪性疾患が原因)が貯留している可能性もあります。必要に応じて超音波での確認が検討されます。
下痢が長期間続いている。
腸炎の発症とは関係なく下痢が遷延している場合は、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の可能性や薬が原因の下痢(偽膜性腸炎、コラーゲン性大腸炎 等)の可能性があります。必要に応じて大腸カメラによる確認が検討されます。
お腹の違和感、便秘や下痢を繰り返す。
過敏性腸症候群を疑う症状です。20~40歳代に多くみられる疾患です。おひとりおひとりの病状に合った治療方法・内服薬を一緒に探していきます。一度ご相談下さい。

その他、消化器疾患を疑う症状

黒い便が出る。
上部消化管(食道・胃・十二指腸)からの出血を疑う症状です。早めの相談、検査をご検討下さい。鉄のお薬やサプリメントを飲んでいる方にも同様の症状が起こります。
便に血が混じる。
下部消化管(小腸・大腸)からの出血が疑われます。腹痛、下痢を伴う場合は、虚血性腸炎、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎の可能性があります。痔出血、憩室出血、大腸ポリープからの出血の場合は腹痛や下痢を伴わないことが多いです。大腸癌の場合は、進行の程度や部位により症状は様々です。必要に応じて、大腸カメラでの原因検索をおすすめします。
便の出が悪い、便が硬い、力まないと出ない
便秘を疑う症状です。近年、便秘治療の発展が目覚ましく、様々な作用機序を持つ新薬が次々と登場しています。お一人お一人に合った治療方法を一緒に探していきます。また、頑固な便秘の背景に大腸癌が隠れている可能性もあります。必要に応じて大腸カメラが検討されます。
体が黄色い
黄疸を疑う症状です。初期の黄疸は白目の部分に現れることが多く、その後全身の皮膚が黄色くなっていきます。総胆管結石、胆管がん等による閉塞性黄疸の可能性や溶血性貧血の可能性もあります。超音波での原因検索が必要です。